いくつかの美容院で経験を積まれてきたオーナーが独立のため新規店舗を構えるためのリノベーション計画である。立地は田無駅にほど近いエリアで武蔵境通り沿いに位置し、前面道路も広く人通りも多い場所である。店名にhair resortと謳うようにリラックスできるよなプライベートサロンを目指した。落ち着ける空間をつくり上げるため素材や設えをオーナーとの打合せを重ねていく中で美容院としては少数派であるだろう上下足を分ける計画とした。靴の脱ぎ履きという行為が発生してしまうが施術中の寛ぎや特別感を演出することで非日常を感じてもらえるような計画とした。既存の床が木下地で床上げされていたため解体費を抑えつつ、段差があることによってエントランスとカットスペースの空間を緩く分節しつつ、人通りの多い道路からの距離感を意識した。マテリアルは高級感をだしつつも、コスト面を考慮し工種を極力減らすため、塗装、モルタル、フローリングのみとした。現状はオーナー1人での営業となるためカット台は一機だが、ミラーを可動式とすることで可変性を持たせ、カット台を追加するときも工事が不用で容易に増設できる計画とした。